ナショナル トランスレス真空管ラジオ【UA-360】 一つ「お利口に」なりました。
本当か嘘か?(多分本当!)
昭和の「終戦」間近の日本では、戦争に費やしてしまった「金属」がかなり窮乏し、
電源事情(インフラ)も悪く、AC100Vを安定して維持することも難しかった・・・
そう聞いています。
それを無言で語ってくれる機器があります。
それは「真空管ラジオ」です。 電気製品ですので「銅」は欠かせない金属です。
しかし純度の高い銅線もそう簡単には生産できなかったとのことです。
昭和のその時代の「真空管ラジオ」を数多くレストアしてきてそれを実感します。
電源を用途に合わせて欲しい電圧に変える「電源トランス」は正に鉄心と同線の
塊です。でも、レストアしようと思う時「断線」している物が少なくないのです。
さらには回路の一番奥に位置する「スピーカー」を鳴らすためのトランス、
これは「OUTPUTトランス」と呼ばれ、「髪の毛よりも細い」線が幾重にも巻かれて
いるのですが、この部品の断線が最も多いのです。
どうやら純度の低い細い電線は、切れやすいのだそうです。
(幸い現代では高品質なOUTPUTトランスを製作販売する業者さんがあります。)
「トランスレスラジオ」その名の通り、昇圧、減圧する「トランス」が要りません。
金属の節約バージョンラジオですね^_−☆
しかし、回路は独特の方式ですので気をつけなければならない点が幾つかあります。
まず!
AC100Vの片方を直に「回路内での接地」として用います。
ご存知の様にAC100Vの片方は「アース(文字通り地球に接地)」となっていますが、
もう片方は「ホット側」と呼ばれ、当然感電します。
そこでメーカーは知恵を絞り、ユーザーが触れる部分には「金属は出さない」設計を
して、プラスチックのケース、プラスチックのツマミを多用しています。
60〜70年もの年月は、保管の仕方でラジオの状態に「雲泥の差」があります。
キツく締め付けられた「ネジ部分」に「クラック」が入ったり、本来「透明なはず」の
パネルが「燻んで曇り」どう拭いても取れなかったり、鉄のシャーシがサビサビだった
り、表面のメッキが腐食していたり・・・シャーシ裏には「ゴキ卵」や「カメムシ」、
蜘蛛のミイラ?なども潜んでいます。
「当時物」に拘る方は、傷も汚れも「そのまま」が良い!と言われます。
その全てが「歴史」ですので、その気持ちもよくわかります。
でも、私は「再び現役選手」として活躍して欲しいので、車で言えば「旧車」の様に
「元気に走る」ことができる様、時には現在のパーツを組み込むのと同じ様に、寿命が
来ている部品は「取り外して廃棄」し、現在だからこそ使うことのできる機器を組み込
んだりしつつ綺麗にし上げて、ラジオたちが「リビング」や「寝室」に再び置いてもら
えることを想像しながら修理と、整備をしています。
【ラジオに関しての当時と現在のギャップ】
1、まず「家電の安全基準」が違います。
裏蓋があるとは言え、さまざまな高圧端子が「剥き出し」になっています。そこで
少なくともヒューズ端子やトランスのタップなどはプラスチックでカバーします。
昭和初期には金属だけでなく、電子部品の製造もままなりませんでした。
「耐圧:どれほどの高電圧まで耐えられるか?」に関しても、ギリギリの性能でした
から、ラジオから煙が出たり、最悪「火」が出たという話はよく聞きました。
(大抵のコンデンサーは劣化したりパンクしています。)
2、「レコード(PHONO)」が当時の主流でした。
今現在、若い方々に「円盤:レコード」が人気と聞きますが、個人的にはもう円盤は
劣化するし場所も食うので、さまざまな「音響機器」に対応できる様に改良する道を
私は選ぶことにしました。
現在「標準」となっている「3.5Φステレオミニジャック」をラジオのシャーシの背
面に設置し、「電池駆動」の携帯や音楽プレーヤー、そしてやはり人気の通信型音響
装置の「Bluetooth受信機」に飛ばして頂いて、デジタルがアナログ音に変化する
妙を楽しんでもらいたいと決めて改造してきました。
3、トランスレスラジオを十分に理解していないゆえの「罠」がありました。
それは、答えから先に言いますと・・・・・。
🔳 外部音響機器に関して「電池駆動」なら問題なく綺麗な音が鳴ってくれるのですが、
一例【充電式Bluetooth受信機MR-230】

ACパックを使用して動かす「音響機器:非充電式」を入力させた場合、その電源の
「スイッチングノイズ」が、そのままラジオに入力されてしまう!と言うことでした。
Bluetooth受信機側の直流回路のコモン(回路内接地)が「浮いている状態」になり
ノイズも開放されていたことになります。

「0.01μF」を入れずに、ダイレクトにラジオ側のCOM(回路内接地)に繋げれば
回路が閉じるので「ビー!」は消えると思いますが、直接「AC100V」と繋がる事に
なるので「感電する」危険性があり、それはしたくありません。(上図)
そこで、対策として「入力トランス」を用いて、物理的に「分離」しました。
(上図の下側の絵)
この事により、オーディオ機器側の回路の「開放状態」を避けることができ、さらに
「AC100V」からも分離できるため「感電」の危険性も回避できます。
(厳密にはトランスの周波数特性に依存する音になりますが、真空管ラジオは高級な
音響機器とは別次元なので、良しとします。)
手元に「ACパック式音響装置」が無かったので、この点での見落としは私の
未熟な点でした。_| ̄|○💧
せっかくですので、トランス式真空管ラジオのAUDIO INにも入力してみました。
結果は「問題なし」でした。 やはり、互いのコモン(回路内接地)がダイレクトに
繋がるため、スイッチングノイズは現れず聴くことができました。
【修正後の回路図】 (赤い部分が対象となる回路部分)

【試験風景】
*対策前の状態では「ブーーー!」と、大きなノイズが出ることを確認しました。
*対策として「オーディオ入力トランス」を組み込み、ノイズカットを確認。


この他に「トランス式真空管ラジオ」に「ACパック使用Bluetooth機器」を繋いでも
「ブーー!」音が出ないことを確認できました。
やはり「AC100V」の片方を顧問として使う「トランスレスラジオ」には、「感電防止」
の為にも、「ノイズカット」の為にも、トランスで分離する必要が分かりました。
現象をご指摘頂いたご利用者様に心から感謝しています。
SANYO SF-400 取り扱いの仕方
とても斬新なデザイン(丸が基調)のトランスレス5球スーパーです。
中波、短波、そしてPHONOの3モード。
現役当時は別売りの「レコードプレーヤー」をつないで「浪曲」や「流行歌」の
レコードを聴いていたのでしょうね。
「ステレオ」が出て来てからは、その役目も終わったのかも知れません。
ホコリまみれ、自然に発生した金属サビ、化学的な反応型のコンデンサーの劣化、
バリコンやダイヤルの油切れによる「渋い回転」などなど、確かに60年以上も昔の
製品であることは間違いありません。
(むしろ原型を留めていることにびっくりです。)
気になる部分や、いまのところ正常でもやがて劣化するような部品を交換し、洗剤で
きれいに洗ったら「元気!」にまた鳴り始めました!

1,つまみの説明
1−1 一番上のツマミ
● 電源スイッチとTONE(音質)切り替え
★このスイッチはメーカーの設計仕様で「板バネとカム」で構成されています。
(各メーカーが採用) 従って「カチン・カチン」というキレの良さは無し。
ゆっくりと切り替える必要があります。
☆TONE「H」は比較的「音が乾いた感じ」で聞こえます。
☆TONE「L」は比較的「音が曇った感じ」で聞こえます。

1−2 「VOLUME」(音量調節)
★スイッチ付きではないので毎回、戻す必要はありません。
(新品に交換してあります。)
1−3 「バンド切り替え」と「選局ツマミ」
☆「バンド切り替え(内側のツマミ)」・・PHONO ・ BC・・SW
☆「選局(TUNE)外側ツマミ」
回すとダイヤルが動きます。

2.背面の部品説明
2−1 AUDIO IN(3.5φステレオミニジャック)
★標準的なミニプラグ用のジャックです。 構造はステレオタイプですが内部にて
音響機器の出力保護のために抵抗で合成し「モノラル化」しています。また
ラジオから音響機器に内部電圧が加わらないようにコンデンサーで絶縁されて
います。 Bluetooth受信機を差し込んでスマホから音楽を送信しますと、離れた
場所から操作でき、なかなか便利です。

2−2 マジックアイON-OFFスイッチ
★今日マジックアイの管は市場でも品薄で、新品はなかなか見つかりません。
メーカーの仕様のままでは常時動作させる回路ですので、少しでも長く使用
出来ますように「ON-OFFスイッチ」を設けました。

3.保守時のご案内
滅多に内部の装置に手を触れることは無いと思いますが、ご興味を抱かれて「内部を
見たい!」と思われたり、部品の交換などをされる場合を想定し「シャーシの取り出
し方」を簡単にご説明致します。
3−1 シャーシ取り出し手順
★ 一番先に「ダイヤル糸」を取り外します。
1.「選局ツマミ」をラジオ正面から見て一番左(一番低い周波数側)へ持って
行きます。
2.下図の「糸締め付けネジ(ー)」をマイナスドライバーで緩めます。
(緩め過ぎるとネジが落下しますので、少し緩めて糸が外れれば良し。

3.フロントパネルの取り外し
各ツマミを手前に静かに引っ張りますと軸から外れます。
4.シャーシ取り付けネジの外し方
フロントパネルを「下」にし、底板部分の固定ネジ(マイナスネジ4本)を
外します。(パネル傷つけ防止のためにタオルやダンボールなどを敷く)
5.マジックアイのコネクターだけを引き抜きます。
6.短い線で配線されている「電球」を手前に引き、金具から外します。
これで木箱の中からシャーシを引き出せます。なお、さらに配線がつながっ
ていますので、不自由ですが真空管の曲がりや、配線を踏まないように
注意しながら作業します。(タオルやダンボールなどを敷くと便利です)
★作業終了後の手順は、記載した順番を逆に遡ります。
4.ダイヤル糸の取り付け方
1.外し方と同様、選局ダイヤルを一番左(低い周波数側)に持っていきます。
2.「赤い印」を糸に塗っていますので、図のように「糸を持ち上げて」糸を
締め付けていた金具とダイヤル指針の間に「挟み込み」ます。
図は裏側から内部を覗いた状態を示しています。
3「糸締め付けネジ(ー)」をマイナスドライバーで締め付ければ終了です。
以上です。
★通電しながらの取り付け、取り外し作業は大変危険です!
電源スイッチを切ることに加え、プラグをコンセントから引き抜いて作業をする
ことをお勧め致します。
日立S-541レストア記録
ぱっと見「これってトランジスターラジオ?」って思ってしまうほど「小さく」て
「まとまって」います。
小さくても立派な5球スーパーラジオです。
届いた時点で既に綺麗な状態です。(オーナーさんが掃除して出荷してくれました。)

MW(中波)。SW(短波)。そしてPHONOの3モード切替型真空管ラジオなのです。
回路方式は「トランスレス」です。 このラジオの販売時期が昭和38年近くなので
商用電源の質も良くなり、電圧変動も安定したのでしょう。「オートトランス」による
「昇圧」も不要なために、純粋な?トランスレスラジオになっています。
構成は「12BE6」「12BA6」「12AV6」「30A5」「35W4」の真空管標準仕様です。
パネルのツマミ内容はこうなっています。
パネル左から右へ・・
【電源スイッチとボリューム】 【バンド切り替えスイッチ】

右端のつまみ 【同調:チューニング】

このラジオは本当に珍しく、配線は電線ではなく「プリント基板(片面)」方式を採用
しています。
【レストア前の写真】

トランスレスのプラスチックケース型ラジオの場合、全てをパネルにネジ止めする方式
が多く、一番面倒な「ダイヤル針」とダイヤル糸のセッティングが懸念材料でしたが、
これも基板ユニット内で全て完結しており、全く脱着に不便さを感じませんでした。
(ONKYO OS-195の場合はシャーシとパネルを切り離す際にダイヤル糸外しが必要)
オーナーさんが出荷する前に真空管を磨いてくださったり、ホコリを払ってくれたその
おかげで軽く再清掃するだけできれいになりました。 結構幅の広いプリントパターン
を設けていて、コーティングもされているので1ヶ所も銅箔が侵されている場所は無く
検査しやすい構造でした。
とはいえ今から60年も前の物なので、無条件で「電解コンデンサー」「オイル・紙」
のコンデンサーは新品の部品に交換しました。
抵抗はテスターで一本づつ測定し、大幅に規定値とズレている物は小型の同熱消費の
新品抵抗器と交換しました。
またボリュームは残念ながら抵抗値変化が均一でなく、このまま動作させると回して
居る途中で「爆音」になったり、極度に小さくなる可能性があるので思い切って交換!
これだけの古い部品を取り外して廃棄しました。
「ブロックコンデンサー」は試験用に使用するので確保しました(^o^)。

また整流した後の平滑回路がハム音を拾いやすく、電気的に良くない場所に設けられて
いることと、平滑回路段数が少ないので新たな場所に小さな基板を追加し、1段から
3段へとCR回路を追加しました。
トランスレスラジオは配線一つで「ハム」が大きく出たり、小さくなったりしますので
気になる部分はパターンをカットし、電線にて理想的な場所にはんだ付けしました。
(12AV6の3番ピンと4番ピンはハム低下のために入れ替えました。)
写真右側の基板が「新しい平滑回路』です。
最終的には構造上この場所では無理なので、検査終了後には分離してプラ筐体の空き
スペースに取り付けました。

プレーヤー入力用の端子は今日では使いづらいので、取り外して新たにアクリル板を
作って【3.5Φステレオミニジャック】を取り付けました。
また元々は付いていない【TONE回路】を追加しました。(3段階)
写真はジャックに「Bloutooth」受信機を挿して「PHONO」に切り替えて試験中の様子
です。

ジャックの金属部分を電気的に切り離し、トランスレスラジオ特有の商用電源直接続
ゆえの感電する危険を回避していますのでご安心下さい。
プラスチックケース(白色)は、かなり色が褪せて変色していたので、表面をサンド
ペーパーで磨き「アイボリー色」で塗装しています。

プラケース特有の「裏ブタハメコミ時のひび割れ」が元々発生していました。
裏側をゴム系の接着剤で補強しています。
裏ブタの開閉時には「優しく」行って頂けたら幸いです。
(メーカー問わず、弾性利用の嵌め込み式プラケースにはヒビ割れ多し。)
当時の可塑性のプラスチックは、現在のような弾力が有って強い素材がそんなに無く、
またこのラジオが半世紀以上も使われることなど「想定外」だったので、弱い部分の
肉厚化、割れにくい構造設計などにさほど神経を使わなかったのかも知れません。
透明なパネルカバーなどを多用する他の真空管ラジオが、今は割れたり、くすんだり、
何らかの液体で化学変化して溶けているものがあったり・・・当時はより透明で固く
化学変化もしにくい「アクリル板」などは高価で、量産には向かなかったのでしょう。
もし昔からアクリルが使われていたら、もっと綺麗な状態へと復元できるラジオが
ふんだんに出品されていたでしょうね。
ハム音を極力小さくしたいため、回路内のアースポイントを変更したり真空管のピンの
接続変更をしたおかげで、耳をそばに近づけてやっと『ハム音?』を確認できるほどの
小さな状態にすることが出来ました。
さすが昔からの一流メーカーです!
見た目「小さなスピーカー」なので、どうせ大した音は出ないだろう!?と舐めてまし
た。 とてもクリヤーで迫力ある音が出ています!
コンデンサーは新しいものに変わりました。
また動作させていると真空管が起因と思われるハムとは異質の雑音が確認されたので、
手持ちの中古ですが同じ型番の物と差し替えてあります。
それでも新品時の性能や音質は出ていないかも知れませんが、まだまだ現役でラジオを
受信したり、AUDIO機器からの音楽などを入力してこのラジオの真空管を通した音を
楽しむことが出来そうです。
内部的なことですが、このラジオの「熱発生銀座?」とも言える「30A5」と「35W4」
が接近してる周辺はかなりの熱が出ます。
メーカーはもちろん承知しているので、金属板を裏ブタに設けてプラスチックの筐体が
熱で膨らんだり変形することを防止しています。
「気休め?」かも知れませんが、少しでも熱発散が進むように「銅板放熱器」を自作し
嵌めてあります。
12AV6の銅板は元々メーカーの仕様には付いていない「シールド効果」ゆえの物です。
本来は鉄製の物が用いられているのですが、放熱兼ねて銅板にしました。
なお、初めて出会った点があります!
それはIFT(中間周波トランス)−1に使用されている部品に「金属ケース:アルミ」が
被されていないのです! 最初は『これで大丈夫なの?外れちゃったのかな?』と思い
ましたが動作させても何の問題もなく、触っても受信の変化もなく安定していました。
決して「入るスペースが無いのでやむなく裸にした・・・」わけでは無さそうです。
入念な回路検討や試験をした上での結果なのでしょうね。
不慣れなのですが実際に音出しの様子を録画してみました。
動画編集ソフトが無いし、技術も無いので「撮りっぱなし」ですので、最後辺りで
カメラがアッチコッチ暴れますが(^_^;) ご参考まで。
竹内まりやさんの「駅」、ラジオ放送が聞こえます。↓ ↓
ナショナル【EA-750】レストア記録
昭和30年代のラジオを代表するような、ナショナルの高級ラジオです。
黒のルーバーが多用された時代のようですね。
割と丈夫な素材のプラなので、透明プラとは違って劣化している物は殆ど無し!
現在透明なプラスチックと言えば・・・固くて透明さが深い「アクリル」ですが・・
昭和30年代は主に「スチロール樹脂」が殆どで、熱にも強い日光にも薬剤にも弱く、
保存場所の違いがそのまま劣化状態に比例する様な素材です。
幸いこのラジオの個体は、意識的に淡く曇らせた「周波数目盛り部分」には大きな
傷もなければ、割れも全くありません。
下段のツマミ操作部分にも傷や割れがありません。
綺麗に水洗い後、ワックスで内外を磨きました。
ツマミの汚れは中性洗剤で綺麗に落ちました。メッキ部分も綺麗です。
パネル部品は全てオリジナルの構成です。

ネットでこのラジオは販売された当時の「製品説明書」を見つけましたので、
メーカーの【宣伝文句】をお楽しみくださいませ(^o^)

注)今回「7.」番目の「リモート」機能は、もう使用することが無いため、1ピン
だけ電源ケーブルの中継として使用している以外の配線は、全て外してあります。
実機の入手時の様子ですが・・・
長年の汚れやホコリが蓄積しておりました😅
古いラジオを直している方ならお分かり頂けると思いますが・・・
分解して掃除していると・・・Gの卵の殻、蜘蛛の屍骸、越冬する場所としてシャーシ
内を選んだ「カメムシ」・・・などなど「招かざる客」が出てきます💦
ですので、まずはシャーシやスピーカーなどを一旦全て取り外し、スピーカーは断線
していることも多いので、導通チェックしておきます。
エッジやコーンの劣化もチェックしておきます。
真空管も取り外し、水洗いしておきます。(防水構造なので大丈夫(^o^)v)
ただし印字印刷材料が水溶性の物もあるので、なるべく一本づつ洗いつつ、型番を記録
した紙や、小箱に置かないと「見た目」だけでは何の真空管???状態になるので注意
が必要です。(失敗経験者は語る(笑))

筐体(容れ物)には当時流行りの「合板、ベニア板」木材が多く、接着力も低下して
いるので「水洗い」は禁物❌ です。
下の写真はやはり当時流行りの「木目化粧薄板」で、経年に依る「湿、乾燥」の繰り
返しに依る「剥離」が目立ちます。(手を掛けた3台とも同じ)
ラジオを持ち上げようと、うっかり掴んだりすると「ベリ!」という音と共に剥がれ
「落ち」ます。
ここは静かに、丁寧に「広げて」「接着剤を塗り」「マスキングテープ」のような接着
力の弱いテープで押さえ、固まった後に剥がす際にも丁寧に行います。
全て接着剤が固まったら・・・同じ色合いの「ニス」を重ね塗りします。

ナショナルの電線は例外無く「経年劣化」しており、特に電球周りの配線はシャーシ内
の電線と被覆の材質が異なり、溶着した後、ボロボロに固着する危険な配線です。
全て取り払い、化学変化しにくい新しい電線と入れ替えます。
アウトプットトランスの「まがい物」が付いていた!
ナショナルのラジオのスピーカー用出力トランス(アウトプットトランス)は、断線
している場合が多く、また音が出ても「耐圧不良」と思える「チリチリ音」が出やすい
トランスが多いので、何よりも先に端子間の「導通:抵抗値」をチェックします。
ということで大きなスピーカーの横のトランスを見たら・・・・
「何という事でしょう!」
大きな「電源トランス(100V:11V)」が付いていました。

もちろん音は出たかも知れませんが、巻線比が大きく違うため、出力管に重い負荷が
加わります。作りが根本的に違うので「周波数特性」も著しく悪いはずです。
つまり、前の所有者さんが使用時に「オリジナルのトランスは既に断線」したという
事なのでしょう。
いずれにしても正式な新品の「アウトプットトランス」に交換です。
ロータリースイッチの接触不良!
メーカー問わず当時のロータリースイッチ(切り替えスイッチ)の電極部分は全て
「剥き出し」なので、酸化したり硫化したり、殆どが汚くなっていて接触不良が生じ
ています。
ここはラジオの「機能の中心地」なので、ラジオそのものは正常でも、接触不良により
「回すたびに聴こえたり聴こえなくなったり」する現象や、ツマミの回し方により
放送が大きく聴こえたり、逆に小さくなったり・・とにかく安定しないラジオになり
ます。
そこで、これはとても面倒で💦 間違いが許されない神経を使う作業なのですが、
一旦スイッチに繋がれている配線を全て取り外し(写真やスケッチ記録が必須!)
スイッチを取り出します。
その次に「スイッチを分解」し、接点を専用薬剤にて綺麗にします。
薬剤塗布したら数分放置し、綿棒や布で拭き取ると、びっくりするほど真っ黒な汚れ
が取れてきます。 スイッチの裏表、外した際の接点の位置などを記録しないと
組み立て不能になるので注意です💦
接点復活剤というスプレー式のものは、接点だけでなくスイッチ全体に塗布されて
しまうため、高圧が加わる接点には使用不可です。インピーダンスの高い回路の
接点だと「リーク」の問題も有るので、溶剤で溶かした後は「水洗い乾燥」が一番
安全で簡単な方法です。
もう一つ大事な点ですが・・・・
多い時間使用されてきたラジオは「接点が磨り減っている」可能性が高く、接触不良
の原因が「汚れ」ではなく、文字通り「接触していない」ほど削れている場合があると
いう事です。コレは多くの方が悩むところで、代わりのスイッチがあれば交換して問題
解決出来ますが、もう生産はされておらず、部品取りしたラジオの同部品では同じ様な
問題が生じ得ます。
私は思い切って「半田による接点盛り上げ」をしています。
綺麗にした後の接点は半田のノリが良く、熱の伝わりも良く艶のある新しい接触部分
が構成されます。(この方法で3台直しましたが、バッチリです。切替時に大きな
ノイズ発生していたラジオが大人しくなった例もあります。)
今回のラジオにも施しました。(切り替えるたびに短波が不安定でしたので。)

接点復活剤を塗布して回復させる・・そういう手段もありますが、根本的に「擦れて」
減っているはずなので、ここは新品と交換します。
ツマミが「ローレット」用なので、軸の先端だけはリサイクルします。
ジョイントは「秋葉原・門田無線」でネット購入した「6Φ用ジョイント金具」を使い
オリジナルの「M3ナベネジ」は頭がパネル穴に引っ掛からないように外し、代わりに
別途購入してある頭の無い「六角穴」の「通称:イモネジ」を使います。
きつく締め付けることが可能ですし、頭が邪魔になりません(^o^)

次々と古いコンデンサーを取り外し、更に耐圧の高いフィルムコンデンサーを使用。
小型になり中身はスッキリとしてきます。
写真右には「電源平滑回路基板」が見えます。複合型のブロックコンデンサーは撤去し
てあります。部品は電源だけに特化しています。最短で電源供給が出来るため、理想的
な引き回しが可能です。
(オリジナル設計の様に、ブロックコンデンサー内のコンデンサーを使用するがため
に、遠く離れた回路から長々と配線を引っ張ってくる必要がありません。)

調整やオシロスコープに依るチェック、半田付け変更などは下の写真の様に筐体から
取り外して、真空管を曲げたり配線を踏んだりしないように注意しながら行います。
一旦収納したあとでまた気になる点が出てきたら・・・ツマミを外し、シャーシ止め
ネジを外し、再びこの様な状態にしてから行います。(根気が要ります(^_^;))

「説明部品」は、全てオリジナルの状態からレストア時に改良したものです。

マジックアイは「暗め」です。
動作は正常に開閉しますが、日中の明るい環境下では「暗く」感じます。
手持ちの中古の「6E5」とピンは同じなので交換してみましたが、やはり暗い物しか
無く、落札者様の側で「新品購入&交換」を委ねたいと思います。
少しでも長く使えるように、オンオフスイッチを背面に設けました。

「PH」に切り替え、背面の「AUDIO IN」ジャックに「Bluetooth受信機」を挿して
iPhoneから好きな音楽を送って、音の質や大きさを確認している写真です。
「ハム」がとても小さく、雑音も殆ど無く音楽を楽しむことが出来ます。

ここまで、このラジオ(EA-750 3台目)を含めると、なんだかんだで50台近く
レストアしてきました。
ハードオフや他の中古販売店などで見る「何万円」もする「真空管ラジオ」とは違い
レストアしたとしても・・・自然に発生した「相場」で、落札に繋がる現実的な価格は
いまのところ「20000円以下」と感じています。
きっちり整備された物でも、数千円で出品されていらっしゃる方も居れば、全く手を
加えていないジャンクが「万」の値段が付いていたり・・価格決定は出品者の思うが
ままですのでソコが面白いのかも知れません。
私の場合、結構部品が壊れているものを掴んでしまうことが多く💦 、代わりとなる
部品を探して買ったり、交換用に新品の抵抗やコンデンサーを事前購入する必要が
あり、加えて「基本:送料無料」を貫いてきたので、正直「儲かりません💧」。
技術的に楽しくて、何十台も手掛けてきましたが少し疲れましたので、このラジオを
最後に「しばらくの間」レストアは停止します。
とはいえ、交換部品(真空管を含む)も何台分かありますので、供給可能なものも
ありますから、お困りの際は当方にお尋ねくださいませ。
ではぜひよろしくお願い致します。
ナショナルCF-740(マグナスーパー)のレストア(2台目)
このラジオの特徴は・・・MW(中波放送)のみの受信機です。
都市部の電波の強い地域には、電波の成分を余すことなく受信させるレンジがあり、
放送局の電波が弱めの地域では、ゲインを上げて選局しやすいように帯域を狭くして
聴けるレンジが備えられています。(Hi-Fi、LOCAL,DX)
戦後だいぶ経って、放送局側の電波の質も良くなり、「音楽」がたくさん乗るように
なり、多局の雑音に埋もれた放送を聞く楽しみから、段々と「リビングなどで、ゆった
りとした時間を【良い音のラジオ】で聴きたいと願う時代に入り、その欲求に応えた」
ラジオと言えます。「短波」が無いことはむしろ「高級」となったのです。
珍しく「高周波1段回路」が組み込まれていて、バリコンが3連になっています。
後代のトランジスターラジオの感度や選択度、そして雑音の少なさなど様々な性能で
比較されると、秀でている点は無くトランジスタラジオに軍配が上がります。
しかし、音質(良し悪しではなく)や雰囲気は真似を許しません!
「ドンシャリサウンド」とは全く違う、まろやかで力強い、でも優しい・・
そんな音がするのです。
私が小学生だった頃(昭和30年代)、我が家にはナショナルの小型の真空管ラジオが
棚の上に有って、雑音混じりの「田園ソング」なる番組を聴いた記憶があります。
果たしてあのラジオは何という機種だったんだろう?
山形の山間部でしたので、どの放送局も雑音をかき分けて聴いていたのでしょう。
NHK、山形放送、そして微かに東北放送が聴こえていた気がします。
さて今回落札したラジオは、こんな姿のラジオです。
黒いルーバー上のパネルはプラスチック一体成型です。
「高周波1段回路」内蔵です。 そして音質やパワーで人気のあった「6BQ5」という
優れた真空管が標準装備です。
選択した機能毎に「インジケーターランプ」が点灯します。
写真は「Hi-Fi」レンジで聴いているところです。
マジックアイは「PHONO,Hi-Fi」を除くモードにて点灯します。(LOCAL,DX)
もちろんシャーシ背面の「マジックアイON-OFF」スイッチがOFFの時は、一切点灯
しません。(マジックアイの温存用)

分解していくと経年劣化がすぐに分かります!
木目の化粧板は、当時流行った「木目薄皮シート」を貼り付けたものです。
何十年も経って、乾湿を繰り返した所為か「ボコボコ」と剥がれて膨らんだり、少し触
れただけで割れてこぼれ落ちたり・・・迂闊に扱えない困りものです。

上の写真の通り、他は意外と綺麗で・・・
幸い今回の物は、ダイヤル窓の部分だけが「もっこり」膨らんでいるだけでした。
セメダインXと爪楊枝を使って、張り付くまでマスキングテープで押さえます。
実はテープを無造作に剥がすと・・ベリッ!と木目が剥がれることがあるので要注意!
落札して届いたラジオの状態って、皆さんご存知でしょうか?
持ち主の保管の仕方や、使われていた環境に大きく依存しますが・・・
今回の品物は、こんな感じでした。(たいてい、これと似たりよったりです😅 )
バリコン周りです。
どこに置くとこうなるんでしょうね。でもまだこのラジオは良い方ですよ。

これはスイッチ周りです。
まるで火事場から拾ってきたようなホコリ、汚れです。
これがキレイになっていくんです

昔はおおらかな作りなんですねぇ。ここは電源スイッチです。
付近のコンデンサーもホコリまみれです。コンデンサは基本「交換」です!

そして!ナショナル(松下)の電線の特徴なのですが・・・
経年劣化で電線が「溶化し、割れる」のです。
中身を見ずに「通電しました!」という方のレポを読むたびに「ヒヤヒヤ』します。
私は自分が整備し、配線チェックをするまでは決して電気は入れません。
これ完全にショートしています。 配線色すら不明です💦

生きていても死んでいても「ブロック電解コンデンサー」は取り外して交換です。
耐圧不良を起こすと爆発する可能性がありますし、容量値も大きく狂うためです。
オイルコンデンサーもペーパーコンデンサーも無条件で捨てます。
ラジオが鳴らなくなったり異音が出る原因の一つがこれらの部品です。

外せる物はすべて取り外します。
筐体は塗装します。 私は地肌を出して磨き上げる技術や根性も無いので、暗目の塗料
をスプレーして居ます。出来ればその時間を回路整備に用いたいからです。
木目の貼り付け板を接着して、マスキングテープで押さえている様子が分かりますね。

出品者様が正直にコメントしていましたが「パネルに刻み文字があります」とのことで
出品写真では【傷】だけしか分かりませんでしたが、磨いて綺麗にしたらそれが良く分
かりました。

どんな歴史があったのでしょう?(^^)
きっと関西か中国地方の人が使ってたんでしょうね。
刻んだ文字をよく見ると「NHK」「朝日」「中国」「RCC」・・などの文字が確かに
有りました! 子供が傷をつけたのでしょうか?
不思議と邪魔にはなりません(^^)
商品としてはマイナスになりますが、真空管ラジオの歴史と庶民の生活の産物・・
そう思うと何だか姿が浮かんできて微笑ましくなります。
それを理解してくださる方が落札して下さったらうれしいです。
実際のところ、使用してみると全然気にならない程度でした。
(パネル照明用豆電球が点くので、内側から照らされるので目立たないようです。)

じつは文字の塗料が所々剥がれていました。
塗料だと直しが利かないので、水彩用絵の具を濃いめに溶いて竹串の尖った部分に付け
補修しました。 失敗したら水洗いしたり濡れたティッシュで吸い取ったりできます。

内部は意外にも綺麗でした。
強張った電線を取り外し、耐圧の高い被覆で柔らかい電線と交換します。
古いコンデンサーは容量値が小さくても形が大きいので、交換するとスッキリとして
見た目でも分かりやすくなります。(トランス周辺に注目!)

このラジオは「中波専用」なので、アンテナコイルの配線が分かりやすいため、手持ち
の「フェライト・バーアンテナ」に替えました。
高周波的にバリコンの近くがふさわしいので、バリコンの上に乗せちゃいました(^o^)
一番感度の良い位置をコイルを移動させて探します。
少し抜き気味が最高感度でした。(固定します。)

シャーシの内容を見ましょう!
チューブラ型(左右にリード線が出ているタイプ)のコンデンサーは、オイルコン、
ペーパーコン、そして電解コンなのですが、もう化学的変化の寿命が来ているので
全て取り外して最新の高耐圧のフィルムや電解に替えます。
シャーシが大きいので比較的中身がスッキリしています。

豆電球の配線部分は、どなたも仰られる通り「松下のこの頃の電線は駄目!」の通り、
被覆が化学変化を起こし、溶着した後はボロボロに風化する格好になっています。
出品者が中身を見ずに「通電」してしまうと、ここの電線同士がショートしてFUSEが
いとも簡単に飛ぶのです。FUSEを10Aのものに代えちゃうと・・・電源トランスが
溶断します! そうなると部品取りにすら使えなくなります。
こういう状態の姿を見ると・・・・ラジオ技術の心得が無いと・・・
「今度の燃えないごみの日、いつだっけ!?」となること請け合います(^o^)

今回取り外して捨てる方に回した部品たちです。
電解コンデンサーは手に入りにくいので、測定してから「再度用いる」方もおられます
が、いつ「爆発」するか分からない「ロシアンルーレットコンデンサー」なので、例外
無く取り外し、新しい平滑回路を基板に組みます。

手で少し揉んだらこんなにバラバラになりました😓
これではショートするわけです。

それから、このラジオの良くない点がありまして・・・
それは電源トランスの直ぐ側に、OUTPUTトランスが配置されている事です。
電源トランスの磁界の影響を受け、ハム音が出やすいのです。
ここの位置から切り離しましょう! 理想はシャーシから離した場所です。
その空いたスペースに電源平滑回路を乗せます。

あれこれコンデンサー、抵抗器を交換したり配線を替えたりして景色が変わりました。
高圧の引き回しも他とは遠ざけて、最短で配線します。

せっかく高周波段が付いているラジオなので、ソレノイドコイル(ボビン巻空芯)より
感度の良い【フェライト・バーアンテナ】を使用したいと思い、取り替えました。
設置場所は「Q:大雑把に言うと・・同調したときの鋭さ?」をなるべく落とさない
様にバリコンの近傍が好ましいので、上に乗せました。 同調回路の配線も本当は
細くしたり、シャーシから離したりして「せっかく拾った電波のエネルギーを逃さ
ない工夫が必要なのです。
バリコンの羽がぶつかることはありません(^^)

アウトプットトランスはシャーシから遠く離し、筐体にネジ止めです。
一番熱くなる6BQ5にだけ、銅板の放熱板を被せ、さらなる放熱と抜け防止のために
ハンダ付けした板をシャーシにネジ止めしました。
通電しながら中をチェックする時に、うっかりトランスの上のFUSEの100Vで感電
しないように「薄いカバー」を被せました。(両面テープ留め)
バリコンのそばに2本真空管が立っている姿は、なかなかカッコいい!ものです。

無事に音が出て、ラジオ、PHONO(AUDIO IN)の動作も確認できました。
音がきちんと出たからなのですが、細かな調整中に改善したい点が出てきました。
それは【ボリュームを絞っても音が結構な音量で残る】症状を改善することです。
多くの場合、その原因として・・
①ボリューム自体が劣化していて、本来0Ωになるところが、数kΩ抵抗が残ってしま
うために音が絞りきれない。これだけでなく、私が数台出会った場合は少し原因が
異なり・・・
②6AV6の内部にて漏れていたり・・・
③配線の引き回しによりアーディオ成分が漏れてしまっている・・などです。
(6BQ6はゲインが大きいこともあり、小さな信号まで増幅してしまうのも一因)
今回はどうやら今回は③のようで、古いボリュームを新品に代えたり、入力信号を
アースに落としても一向に音声が消えない・・そのような症状でした。
もしかしたらですが、昔はそれほど細かな仕様にこだわらず、もともと最初からボリュ
ームを絞っても音が出ているのは【当たり前】だったのかも知れません。
何故ならラジオを点ける時は・・・「ラジオを聴く時」だからです(^_^;)
さぁ、どうしましょう?
私はここを他のラジオのレストア時に思い付いて上手く行った電気的な方法で解決しま
した!
それは・・6AV6からの出力を「減衰させる」事です。
実際のところ、ゲインがあり過ぎて、ほんの少しボリュームをひねっただけで、耳を
塞ぎたくなるほどの大きな音が出ますので、アンプには余裕があるのです。
でも注意がここでは必要です!
どんな注意でしょうか?
それは「ラジオ」で丁度良くても、「PH:AUDIO IN」に切り替えた際に、今度はボリ
ュームを幾ら回してもゲインが足りなくなる・・という罠です。
もともとラジオの信号よりも、PHONOに入ってくる信号の方が「小さい」のです。
つまり、ラジオの時だけ「音を減衰させ」て、「PH」の際には従来どおりの回路になる
様に工夫すれば良いわけです。
写真は、リレーを回路間近に配置し、照明用の6.3Vから作った直流電圧を加えてあとは
リレー内部の「ノーマルオープン」「ノーマルクローズ」の接点を上手く利用すれば
大丈夫です。
今回は100kΩと100kΩで分圧し、信号を計算上は半分に減らした状態が丁度
よい漏れレベルでした。
(無音に拘リ過ぎると今度は音の艶が削がれ、貧弱な音になります。)

マジックアイ(6CD7)は今のところ実用的に点灯しています。
この真空管は私にはとても珍しく、入手は難しく思っています。
そこで、少しでも寿命を延ばせるように、不要な時には高圧を切断しておけるスイッチ
を背面に設けました。

3.5Φステレオミニジャックを設けました。
隣のPHONO端子と並列に接続しています。
(内部で抵抗とコンデンサーを用い、音響機器の出力の保護とラジオとの絶縁処理済)

筐体には目立った傷や割れ、凹みはありません。
とは言え年代物ですので劣化はあります。ダークブラウン塗装済み。)

パネル面も割れや大きな傷、変色などはありません。(前述の目印傷は除く)

強い電波にて「同調」した時の点灯状態です。かなり明るいと言えます。
(周りを暗くしなくても容易に確認できます。)

裏ブタはオリジナルです。
ただし、今回のマジックアイON-OFFスイッチ、ジャック追加などにより操作性をUP
させるために切り欠きを大きくしました。
蓋のはめ込み部分の樹脂が腐っていたので撤去し、細い木材を接着、塗装し新設。
一旦下の溝に嵌めてから、上のつまみ3つにて固定します。

ハム音が小さく、音の伸びが良く低音もそこそこ出る「真空管ラジオ」らしい温かな
音が出ています。
ぜひいかがでしょうか?

なお、このラジオと手持ちの整備済みの【ナショナルEA-750】を手放した後は、
しばらくの間、ラジオのレストア、出品は行わない予定です。
この機会にぜひどうぞ!\(^o^)/
シャープ 6H−238(色違い)レストア記録
同じ型番のラジオをレストアして初めて知ったのですが この機種のラジオには
つまみ操作部が「白主体」の物と「黒主体」の2種類があり、それに従い色がお互いに
反転しています。
本機は操作部が「白主体」で、スピーカーサランネットが「金色系」です。

もともと手に入れる際に「受信します」との情報がありましたので、珍しく手に入れて
すぐに「通電」してみました。
確かに音は出るものの、音質が悪く、雑音がひどく、全域に渡ってチューニングも不可
でした。(でも、これで基本部品が生きている証拠を得ました(^o^)v)
電源トランスの断線やスピーカーを鳴らすはずの「アウトプットトランス」の断線が
とにかく多いのが、昭和初期の真空管ラジオ「ジャンク品」です。
しかし音が出るものの、使っていると「チリチリ」という雑音が不規則に入ります。
経験上、アウトプットトランスの耐圧不良が原因で発生することが多く、ナショナルの
ラジオにて既に3台ほど出遭っています💦 音が出たからと言っても安心できません💧

早速レストアに入ります。
私の場合、まず行うことが「古いコンデンサーの撤去」と「交換」、次に「電源平滑
回路」を小さな基板上に作る作業です。コンデンサーと抵抗が主な部品ですが、ラジオ
をレストアされる方の中には、端子板を使う方がおられ配線が返って複雑になります。
ぜひ基板で収めれば、基板裏をメッキ線でパターン化出来ますのでお薦めです。
このラジオは珍しくも半波整流の5M-K9を使用しているので、設計よりも多い段数の
平滑回路を追加しています。

音出しをしたところ、ボリュームに「ガリ!」があり、新品と交換しました。
シャフトだけ特殊なので切断しジョイント金具でつなぎました。
(左から3番目のツマミ)

受信感度がいまいちなので手元にあった大型フェライトバーアンテナに替えました。
接続後にフェライト棒に巻かれたコイルをスライドさせ、感度が最も良かった位置で
「パラフィンを溶かして固定」します。
シャーシに絶縁材として有用な木材板にアンテナを固定します。
(意外に実用性の良い取り付けグッズが無い。)

放熱板は最初シャーシに元々開いていた6Φほどの穴を利用して、ビスとナット止めを
していたのですが・・・「待てよ? 真空管交換時にシャーシやツマミなどを一旦
外さないと出来ない作業だぞ!?」と気づき(もっと早く気づけ!)、タッピングビス
で留められるように直しました。
(磁石付きのプラスドライバーがあれば、ネジを落とすこと無く上から外すだけでOK)

外装部は細かな傷や塗装剥げが有ったため、スプレーにて黒色塗装しました。
当方には塗装を剥がし、白木状態にしてから「ニス仕上げ」をする腕も、気合も無い為
簡単に済ませています。 お好みで色を変えた塗装や、ニス仕上げに挑戦するのも良い
と思います。
化粧用メッキパーツは、番数の大きな細かなペーパーで仕上げ、ワックスがけしており
光沢が戻りました。傷は全くありません。
透明なパネル部分の左右端だけは、メーカーの設計の「所為?」で、長年締め付けられ
た応力で「ヒビ」が入っています。 気になるようでしたら「黒いシール」や「四角く
切った黒いゴム」などを両面テープで貼ると、目立たなくなるかも知れません。
この点に関しましては、数十年選手!ですので、この程度で済んでいる劣化として
「褒めて」上げましょう\(^o^)/
ではどうぞよろしくお願い致します。
(改造した分を含めて最新の回路図を添付致します。)
(取扱説明書も作成してあります。)
シャープ 6H-238型 レストア記録
このラジオは既に一台持っています。
沢山レストアしている松下製のラジオとは、基本は同じですが「付加回路」がとても
ユニークで「さすがシャープ!目の付け所が違う!」・・これは昔からのようです(^o^)
最初は「部品取り」のラジオが欲しい・・できるだけたくさんの部品が付いている物が
欲しい・・もし電源トランスが死んでいたら文句無しに部品取り!
そう心に決めていました。
そして手元に届いたラジオは・・・
「オー! ホコリがたくさん積もっていて歴史を感じますね💦」
ホコリは凄いですがシャーシの強烈なサビも油っぽさも無さそうです。

ワタボコリが「玉」になっていますが、どうしたらこうなるのかなぁ?
松下と違って配線が「ボロボロ」にはなっていません。
まずはテスターにて、電源トランスの各巻線の断線がないかチェック!・・「OK」
続いてアウトプットトランスの1次側2次側の断線チェック!・・「OK」
気になるスピーカーの細い線はどうでしょうか?・・・・「3つともOK」
となると・・「部品取り」にするのは勿体ない!(^o^)v
生かして上げましょう!
そうと決まったら、まずは筐体からシャーシや電球、そして金具類を一旦外して掃除を
しましょう!

金属のライン(エスカッション)はどこかにぶつけたようですね💦
ツマミは長年の手垢が汚れと生って焼き付いています。(これは簡単に取れます!)
真ん中に筋の入ったツマミの部品はどうやら劣化したのか、外れてしまっています。
ココには丸く切り抜いた白いゴム板を貼りましょう。そして方向性が関係ない「選局」
(TUNING)ツマミとして一番右に持っていきましょう。

本来透明なパネルプラスチック。 単なる「汚れ」による曇りと信じて、外したら洗剤
を使って優しく水洗いします。

外枠の白い塗装は、一旦紙やすりで削って塗装が着きやすいように仕上げましょう。

古いラジオにありがちな「ボリュームの劣化消耗」ですが、これは動作をさせて初めて
「ガリガリ」と雑音が出て「交換を要する!」となるのですが、このボリュームはそれ
以前に「電源スイッチ」も兼ねた部品です。 なのに、導通試験をしてみたところ・・
スイッチを入れたはずなのに「導通したり、切れたり」・・どうやら内部の機械的な
部分が壊れているようです。 なのでスイッチ付き500K Ωのボリューム(新品)と交換
必須です。 ツマミの装着が必要なのでシャフトだけは採寸後カットして使います。
ついでの「ガリ」の不安も払拭できます(^o^)v

高級?な接続ジョイント金具でしっかりとシャフトを接続します。

一通り外装部品の取り外し、洗浄、塗装し直し・・などに目処が付きましたので・・
いよいよ回路内の「レストア」開始です。
まずは良し悪し関係なく無条件で古い「化学変化型コンデンサー」つまり、電解コンデ
ンサーやオイルコンデンサー、ペーパーコンデンサーは取り外してしまいます。
シャーシ上の美観を気にされる方はブロック型コンデンサーは姿として残される様です
が、私は「動作優先型」ですので何の未練もなく撤去します。
代わりに出来たスペースには「電解コンデンサーと新しい抵抗器」による「平滑回路」
を設けます。ブロックコンデンサーだと、わざわざ遠くから配線を引っ張ってくる必要
がありますが、平滑のみに集中できるため、電気の理想「短い配線」も叶います。
おまけに元々の回路よりもCR平滑部品段数が増やせるので、ハム低減にとても有効!
他の電解コンデンサーや新たな高耐圧フィルムコンデンサーも、必要とされる回路の
間近に取り付けることが出来ます。

今回のラジオのような大型の物は、たいてい「コタツの足?」のように、数十センチの
棒足を履かせ、昔のTVの様な置き方をしていました。
落札したラジオは足は付いていませんでしたが、取付用金具が付いていました。
もう使用しないので取り外し、代わりに大きなゴム足を買ってきて卓上型に変身です。

現在のAUDIO機器からの出力信号を入れて、ラジオで増幅して聴くことが出来るよう
に、3.5Φステレオミニジャックを設けました。隣の赤と黒の端子は昔の「レコード・
プレーヤー」からの出力をつなぐ端子です。 ミニジャックはその端子に繋いでおり
ます。CDプレーヤー、ブルートゥース受信機、スマホなどの音源を入れて頂き、ラジオ
特有の優しい音をお楽しみ下さい。
このラジオは音量調節や音質をラジオ側でも調整できます。
アンテナは本来「8m高さ、12m横長」の電線アンテナを想定して受信感度が
設計されています。(当時のラジオの殆ど)
しかし今日では無理な相談です。しかし放送局側の送信出力が上がっているので、それ
ほど大げさに考える必要はありません。
市販の「AM放送用室内アンテナ」が手に入りましたので、それを繋いであります。
またそのアンテナの電線は2本の線で構成されています。 少しでも「長く」なるように
一本はラジオ回路の受信コイルへ、もう一本は、短波放送を感度良く聴けるように、
シャーシ内にて接続して単線にて「延長用外部アンテナ」を外に出しています。
(さらに長い電線をつなぐなら、さらに強力に短波放送を受信できます。

当時の高級ラジオには、据え置きした動かさないラジオを「有線リモコン」ではあって
も、離れた所から電源の入り切りや、外部スピーカーを鳴らすことが出来ました。
もしかしたらお店の場合などは、お客さんが勝手にラジオを弄ったり出来ないように
その機能を使っていたのかも知れませんね。
でも、現在は使いません。 リモコン用ソケットや、ACコンセントなどは返って危険な
場合があり得るため思い切って撤去しました。(大きな丸穴が外した跡)
元々は「ラジオ/リモート」の切り替えスイッチは「マジックアイ」の「ON-OFF」
スイッチとして流用しました。

裏ブタ下部の切り欠き穴は、元々は配線後に蓋を締めるため僅かな隙間しかありません
でした。 でも「3.5Φミニジャック」に線を抜き差しするので、下から50mmの高さ
までカットしました。放熱性も良くなるはずです。

★新しい技術の投入!!★
【マジックアイのLED化】です。
とにかく真空管のマジックアイは寿命が短く、そして希少な管となっていて・・
このラジオに採用されている【6E5M】は、まずヤフオクに出品されませんし、高価
なため入手は難しいと考え、私としては初めて【LED】によるマジックアイ動作を試してみる事にしまいました。
いつかやろうと思って部品は購入していましたので、早速基板に実装し繋いでみたら…
何と‼️一発で動作しました!(^^)
高輝度な緑LEDなので、制限抵抗はかなり高い値で十分でした。 敢えて本物のマジッ
クアイに似せる作業はやめて、シンプルに基板を黒く塗るだけにしました。
回路は先輩達のサイトの公開されている回路を使わせてもらいました。

この状態は、非同調時にホワイトノイズで薄く点灯しています。スマホ撮影のため実際よりも明るく点いています。

この状態は、最も強く受信出来ているNHK第一に同調して明るく点いています。 色板
や曇りプラ板を入れるならもっと滲んだ感じになるかも知れません。やはりスマホ撮影
です、実際よりも明るく滲んで撮れています。
チューニングダイヤルを回して行くと、LEDが信号の強さに応じて点いたり消えたり、
明るくなったり暗くなり、マジックアイ動作をしっかりしてくれました。
LEDを採用した事により、高圧配線が減りスイッチへの負担が減りました。
マジックアイは不用な場合には裏側のスイッチをオフにしますと、回路へ供給している
6.3Vの電源をOFF出来ます。
(元々のマジックアイ管「6E5M」は、配線毎撤去してあるので使用できません。)

いろいろな箇所に手を入れて整備出来ました。
愛機の一つにいかがですか?

以上