真空管ラジオレストア記録

実際に手掛けたラジオレストアの記録簿です。

ナショナル【DX-365】レストア記録

 ヤフオクで落札する際にいつも思うことは・・・

「賭け!」なんですよねぇ。 載っている写真や説明だけでは【実物】の本当の姿が

分からないんです💦

特に「通電できました。」のコメントが有ると、「安心」どころか「不安😱」が先に

立ちます。

というのは、何らかの不具合(特に短絡)があって「ジャンク」になっているのですか

ら、ヒューズのアンペア数を上げてまで通電すると、今までかろうじて生きていた

「トランス」「真空管」などが、その通電により「断線故障」してしまう可能性の方が

大きいからです。

 

 このラジオは「電源ケーブル」が切断されていたので、通電できないまま出品されて

いた物です。

 

 届いて早速開封しましたら・・・・

 

●とにかくラジオ内外の「汚れ」が酷く「これは外した!💦」との第一印象でした。

油染みた環境の工場ででも使われていたのでしょうか?

はたまたやはり油汚れが際立つ「中華屋さん」ででも使われていたのか?

エスで拭いただけでは全く落ちない油脂性の汚れでした。(ツマミも真っ黒!)

でも幸い「大きなヒビや割れ」などは無く、綺麗にしたらどんな姿に?

そんな一縷の望みが残りました(^^)

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年季の入った汚れですね。

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中身もまたすごい状態!

積もりに積もった綿ゴミが油っぽい💦  ナショナル独特の配線の劣化。

 

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もうここまで来ると「笑うしか」ありません(^^)

「火事場で拾ってきたの?」と聞きたいくらいです。

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全体に均一に汚れがあったため、拭き取るのは諦めて・・・

まずは真空管を抜き、バリコンも外して全体を「水洗い」しました。

(IFTコイルだけは水が入らないように注意!)

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洗剤のおかげで「見違えるように」きれいになりました\(^o^)/

劣化したコンデンサー全ての交換、足りない部品の追加、ダイヤル糸の張替え等々を

終えた後の写真です。

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ラジオの筐体の裏底に貼ってあった回路図は「宝探しの地図」状態(^^)

同一回路の機種とほぼ同じなので、自分で回路図を起こしました。

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リアの三穴のある端子は「レコードプレーヤー」をつなぐための物です。

昔はラジオとプレーヤーはセットとして購入した人が多いのです。

今は亡き我が親父さんは浪曲が好きで、ラジオと繋いで聴いてましたねぇ・・・

でも今はこのままでは実用性がないので、思い切って取り外し、そこに「3.5φミニ

ステレオジャック」を新設し、現代のAUDIO音源を使える改造をしました。

 

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このラジオに限らず殆どのラジオには「切り替えスイッチ:ロータリースイッチ」が

あります。 ご覧のように「開放タイプの接点」なので、使用環境、経年劣化などが

著しく影響を受ける場所です。

切り替えても「動作しない」「動作しても不安定」などが主な症状です。

どうやら見た目だけの汚れだけでなく「硫化」「酸化」などの科学的な変化による

「被膜」が形成され、それが大きな原因で不具合が出るようです。

 

この写真は「接点専用化学溶剤」を塗布して、まずは拭き取った状態です。

真っ黒だった金属部が光っています。

このあと・・中性洗剤とブラシで擦った後、水洗いをして乾燥させればOK!

昔のスイッチはとても複雑な仕様になっていて(パズルみたいな?)何も考えずに

配線を外してしまうと・・・裏か?表か? 二段構成の物だとその順序すら???

になるので、必ず電線と端子の状態をスケッチ、撮影などをしておく必要があります。

更には取り外した際の接点の様子が組み立てする際に重要になるので、「割り印」の

ヒントを得て「スイッチの軸とスイッチのウェハにペイントする」ことが一番良い事に

気づきました。(油性ペイントがベスト)

そうしておけばバラバラになっても「割り印」がピタリ合うようにすれば難なく元通り

になりますので(^o^)v

 

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よく使われていたのでしょう!

ボリュームは音声を出すまでもなく、抵抗値が途中から無限大(開放)になる程擦り減

っていたので、新品とすぐに交換しました。

デラックスなジョイント金具を使用してしっかりと固定します。

(ギザギザのローレット加工された軸は貴重。ボリューム本体は破棄。軸は使用。)

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一通り修理と改善作業を終え、やっと「通電式」です。

音は一発で出てくれました!

音質はスピーカーが小さいこともあり、少し乾いた音が出ています。

「ちゃぶ台の食卓を思い出す、あの当時の音です!」

中波も短波も十分な感度です。

「AUDIO IN」から入れた「Bloutooth受信機」経由のスマホの音楽も綺麗に鳴って

くれました。

 

樹脂部分もツマミもきれいになりました。

まだ何年も現役として頑張ってくれるでしょう(^^)

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ナショナル【DM-650】のレストア

 この機種が出品されたのを見るのは初めてです。

スピーカーが左右に分かれるデザインのラジオが多い中、片側に寄せているデザインは

なかなかの「機能美」があります。

 

◎ラジオの概要

●使用真空管・・12BE6  12BA6   12AV6  30A5  19A53  12ZE8

●受信可能バンド:中波、短波

●入力端子・・・PH(PHONO) FM(外部FM受信機からの入力端子)

 

 「ジャンク品」としての出品を落札したので、最悪は「部品取り?」と覚悟。

このラジオ本体にはどこにも「型番」が記されていません。

出品者も型番ではなく「2スピーカー・・」とだけタイトルにしていました。

 

【外観】

 見た目には汚れや小キズはあるものの、割れも無く欠品も無く良さそうです(^^)

 

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レストアする上で大事なポイントの一つは・・・

ラジオ全体が「分解しやすい」事です。

フロントにネジの頭が見えるということは・・・バラしやすそうです。

 

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【電気関係】 

ジャンクラジオの中で「賭け」となる点が幾つかあります。

①スピーカーアウトプットトランスに断線がないか?(断線しているものが多い)

電解コンデンサーに液漏れやパンクがないかどうか?(ほとんど使用不可状態)

③回路図が残っているかどうか?  などはとても重要です。

この頃のラジオの回路はほとんど基本的に同じですが、レストアとなると配線を一回

バラしてやり直す可能性が高いため、これは重要なポイントです。

幸い筐体内部に明瞭な図面が貼られていました。(ほっ🎵)

内部の様子もそれほで汚れては無さそうです。

 

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 このラジオは当時「高級ラジオ」の部類だったと想像できます。

というのは・・・「オートトランス方式」だからです。

昭和初期の時代は、現在のようにAC100Vの商用電源電圧が安定しておらず、電気を

同時にたくさんの人が使うと電圧が下がり・・80Vにも満たなくなり、不安定な動作

をしたそうです。日中と夜間で電圧が激変した・・とも聞きました。

皆さんは「スライダック」という商品をご存知でしょうか?

AC100Vに差し込みながらも、自らはそれよりも高い130V付近まで上げたり、逆に

0Vまで下げることが出来る「単巻トランス」の一種です。

電圧可変が出来るので、照明の可変、モーターなどの回転可変、何よりも電気機器の

電源変動耐久試験などに用いられています。

原理は同じで、当時これをラジオに採用したのは繰り返しの説明になりますが、少しで

も「高い電圧を維持し動作を安定化」させることでした。

 

 残念ながら今回のラジオの電線は内部で切れていて、電源は入りませんでした。💧

そこで思い切って電源方式を変更し、加えて「感電防止」も兼ねての・・・

【絶縁トランス使用によるトランスレスラジオ】にしました。

これでラジオの回路は商用電源と切り離せるので、金属部を触っても「感電する」危険

から逃れることが出来ます。

 

 パイロットランプは、オートトランスの電圧取り出しタップと6.3Vの差を持つ

タップから取り出した6.3Vを用いていたようなので、ここは6.3Vトランス(HT-605)を

追加して電球も絶縁可能にしました。

 

【手を加える必要のある個所】

抵抗が焼けています。ペーパーコンデンサーはもう寿命で、容量も異なり、リークも

多いはずです。正常かどうかに関係なく交換です。(高耐圧フィルムコンデンサへ)

オイルコンデンサーや電解コンデンサーなどの「化学変化型コンデンサー)は全て

交換です。特に高電圧が常時加わる「ブロック型電解コンデンサー」は有無を言わさず

交換です。(いつパンクや容量抜けでラジオ「正常動作不可」状態になるか不安な為)

 電源平滑回路を別の場所に基板に組んで取り付けましょう!

平滑用の抵抗もコンデンサーも新品に代えます。

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そして多くの方が手を食わえずに「ラジオが聞こえればオーケー!」としがちな、

切り替えスイッチ(ロータリースイッチ)の接点もこの際、綺麗にしておきます。

分解したスイッチの「ウェハ」です。

何もしない状態では、接点は「真っ黒」に汚れていたり酸化しています。

基板を傷めない専用「化学薬品」を使って、軽く汚れを拭き取った写真です。

不織布がところどころ黒いのは、拭き取った【汚れ】です。

やっと金属部分が見えてきました。

なお、スイッチというのは【面】ではなく【点】で接触しているので、ある特定の場所

だけが擦れて剥き出しになるので、動作は正常に思えてしまうのですが・・・・

切り替えないまま何十年もたったラジオの接点は「接触不良」となり、ラジオとして

動作しなくなった物が多数見かけます。

 

下敷きになってるスケッチは、分解してしまうと「どれがどこに有ったの??」状態に

なり復元するのに回路図とにらめっこしながら何時間も掛かる罠に陥ります(^_^;)

栗のイガのように見える端子の基板と、中心部で回転する「電極部」はさらにバラバラ

になるので、もし外れてしまったら裏だったか表だったか「???」になるので、

「割り印」のように、分解する前にシャフトと基板の両方に「ペイント」しておくこと

をオススメします。

そして配線復帰させる時に分かりやすいように「絵」としての回路図を残すのです。

薬品である程度汚れを落としたら、台所に持って行き「中性洗剤:キッチン用洗剤」と

ブラシでゴシゴシ水洗いします。

その後、ペーパーで水を拭き取り「ドライヤー」で乾かします。

基板そのものには防水皮膜塗装処理されているので、よほど劣化していない限り、すぐ

に水を弾くので、ほんの数十秒で乾きます。

組み上げる前に、取り外した状態での写真を撮っておき、組み上げる際の資料とします

。というのは・・組む前に接触確認が必要だからです。導通試験が出来るテスターや

ブザーチェッカー(導通すると鳴る仕組みのグッズ)で各端子間の接触状態を確認しま

す。目視で接触しているように見えても、導通試験機で試すと「接触していない!」

物があるからです。治すにはラジオペンチで少しづつ接触端子を調整します。

(組み込んでしまうと、道具が何も入らない状態になるので直せなくなります。)

中波と短波が受信できるラジオは、切り替えるべき配線が多い為、このスイッチの

メンテを怠ると、受信できなかったり、ブーー!と言うだけでラジオが聞けない厄介な

動作をしますので、「掃除は必須アイテム」と思ったほうが良さそうです。

 

ここまで手を入れて確認していますのでご安心下さい。

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【細かな改善点】

◎モード切替ランプが設けられながらもパネルには印刷も彫刻もなかったので、「MW」「PH」「SW]シールを追加。

◎「PH」モードにもインジケーターとして緑色LEDをパネルに追加。

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◎「PU」(プレーヤー入力は残してありますが、3.5φステレオミニジャック入力用)

 モードには表示灯が無かったので「緑色LED」をパネル内に追加した。

◎マジックアイ(12BE8)の高圧電源オンオフスイッチを設けた。

 *トランスレスラジオは、各真空管の「ヒーター」を直列接続しないとラジオが成り

立たないために常時ヒーター電源が加わるため、高圧のみの入り切りとなります。

大分使ったようで、動作はしておりますがかなり暗くなっています。

 

*下の写真は室内照明を落として撮っています。

 

【非同調時】

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【同調時】

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新品と交換できるように回路動作は確認済みです。

当方で交換してしまうと価格がアップしてしまうため動作確認のみとしました。

真空管回路内の信号減衰回路採用。

 これは、6AV6から30A5に送る信号レベルが大きすぎ、ボリュームをほんの少し回し

 ただけで大音量に生っていたため、抵抗にて信号を何割か減衰。

◎ヒューズソケットが老朽化し、ヒューズを抑え込むバネ力が無くなっていたため

 新品のソケットに交換し、トランス端子との絶縁距離を得るためにプラ壁を設置。

◎ボリュームのガサつき、急激な音量変化があり新品と交換済み。

 シャフトのみ再利用し、ジョイント金具にてしっかりと軸固定。

 

【気になっている点を思い切って改善】

◎問題無さそうに元気に音を出している「アウトプットトランス」ですが・・・・

 電源を入れた直後や数十分経った頃に、不定期に音の中に「チリ!チリ!」「プツ」

 と放電性の雑音が交じるのです。 原因としては「スイッチなどの電極間放電」や、

 真空管の劣化などなどすぐには分かりません💧

 そこで、真空管を入れ替えては様子を聴きましたが、いまいちはっきりしません。

 過去の修理のノウハウとして、こういう場合の原因は「アウトプットトランス」が

 多くて、交換するとピタリと止まる!今まで数台のラジオがそうでした。

 せっかく音が出ているのに交換するのはちょっと勿体無いのですが、そうも言ってお 

 られません。 東栄変成器の新品アウトプットトランスと交換です。

 チリチリ音はピタリと止まりました。

 (アウトプットトランスは、電源トランスと異なり「電圧比」ではなく

     「インピーダンス比」なので、巻数が半端ないのです。断線したらまず修理は不可能

  です。実際に分解してみたら・・・一次側は髪の毛みたいな電線が巻いてありまし

  た。当時は動線の純度が低く、長期的な使用により不純物の劣化により「断線」

  することが多いようです。)

 

古いトランスを取り外し、外した物は試験用に使いましょう。

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「トランスレスラジオ」なのに「トランス」がいっぱい乗ってます(笑)

でもじつは一切「無駄」は無いのです。

 

最初大きかった「ハム音」は、部品交換や配線変更、平滑回路の追加によってかなり

軽減されました。 なかなかハム音が無音になることはメーカーの配置の設計や使用

スピーカーの周波数特性やらが関係しているので、これ以上は弄らないで起きます。

 

程々の大きさ、落ち着いた雰囲気、暖かく明るい照明、落ち着いた音・・・

真空管ラジオは本当に良いなぁ・・そう思わせてくれる機種でした。

 

三菱【5P-850】(2台目)のレストア

 

 筐体が一体成型プラスチックのラジオは、その殆どが「トランスレスラジオ」です。

このラジオは、ポータブルラジオとして室内の様々な場所に移動させて聴かれたもの

なのか? はたまた一箇所に置いたまま家族が全員で聴いたものなのか?

いずれにしても大分愛された様子が見受けられます。

 

 ヤフオクでは写真だけでしか判断することが出来ませんが、筐体は比較的きれいな

表面でしたし、パネルの傷も目立ったものがないため落札しました。

実はこのラジオは過去に直した経験があり、松下とは異なり部品配置も、使用されて

いる部品や配線の質が良く、期待できるラジオです。

 

ツマミもオリジナルのままの物です。(ただし1個欠品でした。)

パネル面の透明カバーも綺麗ですし、スピーカー部分の細いリブも一本の「折れ」も

ありません。

ただ写真では見破れなかった点ですが、化粧用の金属ライン(エスカッション)、

これがどうやら持主さんが一回外したようで、その際に曲げてしまったのでしょうか?

それを必死に元に戻そうと曲げ直したものの、元には戻らずに少し波打っている部分が

あります。 年季物ですので大目に見て下さいませ(^o^)

(最終的にエスカッションは【つや消しブラック】塗装しました。)

 

(ロッドアンテナは私個人用トランジスタラジオで、聞きながら作業してました(^_^;))

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  使用されていた場所が良かったのか、裏蓋の変色や変質がほとんど無く、機種名も

メーカー名もスッキリと読み取れます。

良くありがちな「割れや欠け」が全くありません。

裏蓋の右上のツマミは、小型スピーカー使用のラジオにありがちな「シャリシャリ」

した音質を、少しでも変えることが出来るように、当時高級ラジオには必ず付いていた

三段階の音質変更が出来る回路を追加しました。

 ラジオを掛けながら変化を確かめられます。

 

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このラジオに手をかけ始めた際に驚いた点がコレ!

ヒューズホルダーに何が入っていますでしょうか?

「何と!!半田が巻き付けて」ありました!😱

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回路内に異常があるからこそヒューズが飛ぶのに、何を思っての事なのかとても危険な

事が実際に行われていました!

きっとどれかの真空管のヒーターが断線しているに違いない!?

そう思って調べたところ・・・電源球の【35W4】が見事に切れていました。

 予想は悪い方に的中しました!

 

ヤフオクには「通電出来ました。」とよく書かれていますが・・・

ヒューズがハンダ線だったり、10Aという大電流用のヒューズが入っている物もあり

通電さえしなかったら壊れなくて済む「電源トランス」「アウトプットトランス」など

の細い電線がいとも簡単に「断線」しているラジオが結構あるのです。

なので、壊れている可能性のあるラジオは、むやみに「一切電源を加えない!」で、

そのままの状態で出品してほしいと願うばかりです。

 

古い電解、ペーパー、オイルコンデンサーを全て取り外し、新品の高耐圧コンデンサ

に交換しました。ブロック型電解コンデンサーも外し、新しい部品で基板に取り付け

ました。

 

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きれいな回路図が残っていました。

この回路図のままですと、電源回路の平滑コンデンサーが少なくてハム音が出やすく

なるので、古いブロックコンデンサーを取り外し、抵抗と電解コンデンサーのフィル

ター回路段数を増やし、ハム音がとにかく小さくなるように試験しました。

変更回路部分はきちんと修正し、最新版の回路図を添付いたします。

 

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ボリュームは、使用時間が多かったためか(大事に長く使われたからこそ!)ガリ

出る以前に、回してる途中で抵抗値が無限大になる(つまりカーボンが剥げている)

部分があり、このままでは使用不可の様子でした。

新品のボリュームと交換し、ローレットつまみが用いられているので、軸の部分だけ

切り落として「ジョイント金具」を使って継ぎ足しました。

 

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パネルに直接取り付けるタイプのシャーシは、部品の高さ制限があるためになかなか

神経を使います💦  シャフトも短い場合が多くジョイント金具も小型の物が役に立ち

ます。(私は西川部品製の物を門田無線経由でネット購入しています。)

 

いろいろな箇所をチェックしてから、初めて電気を入れます。

ラジオを手にしてから整備終了までは決して通電しません。

何が潜んでいるかわからないからです。(知っている人ほど慎重なのです!)

 

無事に音が出ました!

ラジオはもちろんのこと、AUDIO IN ジャックにBluetooth受信機をつなぎ、iPhone

から音楽を送って、音の歪やハム音の確認をします。 大丈夫でした!

当時のものですので、特別音が良いとか静寂である・・・ということはありませんが、

真空管らしい音質と音量が十分得られています。

何十年振りかでスピーカーから音が出たに違いありません。

 

ところが!!

一応受信音が鳴るようになった時に別の問題が発生しました。

鳴っている状態で切り替えスイッチのツマミに触ると、音が出たり出なかったりと不安

定症状が発生したのです💦

 

あれこれ触ってチェックしたら・・・・

ロータリースイッチの接点酸化、汚れのこびりつき、硬い単線の電線が使用されている

ために常に力が電極に加わり、その電極が歪んでしまい「接触不良」が発生していまし

た。(仮に0.001mm浮いたとしてもすぐに接触不良が発生します。)

 

この写真は取り外して、接点酸化皮膜除去薬品を使う前の接点の様子です。

真っ黒に見えるものは「長年酸化、硫化して出来た汚れ膜」です。

むやみに擦ったり、接点復活剤を吹き付けると基板の中に滲み込んでしまい、基板の

耐圧が下がったり、絶縁性が下がり「リーク」が発生する恐れがあるので、接点だけを

薬品で綺麗にし、その後に中性洗剤とブラジで汚れを落とします。

水洗いしても基板には絶縁剤が塗布されているので、水が染み込むことは少なくて

ドライヤーだけで良く乾きます。

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薬品洗浄と水洗いだけでこんなに綺麗になります!

組み付ける前に「擦り減ったことによる接触不良」が無いかどうか、ブザーチェックで

導通試験を行います。

残念ながら接点基板が少し歪んでいるせいか、接触が甘い箇所がありました。

対策として・・・接触面に薄くハンダを乗せ、見かけ板厚を増します。

ハンダは軟らかいので、無理なく接触してくれます。 

 

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電極に傷を付けずに綺麗にするには、やはりケミカルに頼る必要があります。

 

 

 さて、このラジオには「音質調整回路:TONE」がありません。

当時は「高級ラジオ:Hi-Fi」にしか音質調整回路は付いていない物が普通でした。

でも実は簡単な部品の追加で、三段階変えられます。

乾いた「シャリシャリ音」で聞きたい時もあれば、少しマイルドに抑えられた音が聞

来たい時もあるので、スイッチを切り替えて楽しむことが出来ます。

リア蓋に取り付けました。

 

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試験中、日中でしたが「短波放送」バンドの感度がとても良く、外に張った6m程の

電線に繋いだら「韓国」「北朝鮮」「中国」の放送局の幾つかが明瞭に受信できま

した。

専用設計のアンテナコイルが優秀なのかも知れません。

 

「ポータブルラジオ」というジャンルは、木製の大型ラジオ(高級Hi-Fiラジオ)とは異

なり、「音質」というよりも・・置き場所を選ばずに気ままに受信し聴くことが出来、

八百屋さんの奥の棚とか、魚屋さんの水の掛からない棚の上とか、果てはビニールを

掛けて油汚れを避けながら掛けていた街の中華やさん(ラーメン屋さん)などなど、

商売をされている人が大きく音を出して聴いていた・・・庶民のラジオでした。

 

 「ダイヤトーン」という後代にはブランドとなった三菱の定評あるスピーカーが二個

付いています。コーン紙やエッジの劣化はありません。

ステレオではありませんが、聞こえる範囲(角度)が広くてなかなか迫力あります。

ハム音は回路整備や平滑部品の追加により「かなり小さい」レベルにしました。

 

 少し面白い実験をしました(^^)

かつて電気の仕事をしていた時に「音の消しゴム効果」といって、2個のスピーカーの

接続を入れ替えて「音の位相」をひっくり返してみたのです。

結果は・・・「低音」がうんと小さくなり、音量も激減しました(^^)

もちろん実験した後は、元に戻して迫力ある音になりました。

(2個付くラジオをレストアする際の参考まで(^o^)v)

ONKYO OS-195(8台目)レストア記録

【今回出品中の実物写真】

 

昭和35年(61年前)のラジオです。

もちろん無傷ではありませんが、汚れもシミも殆ど有りません。

裏蓋も材質が劣化することも無く綺麗です。

もちろん元気に受信するようにレストアしました。

 

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このラジオは当時かなり売れた様で、オークションの出品件数では一番?と思えるほど

たくさん出品されています。かくいう私もすでに8台目のレストアラジオになります。

 

 小型軽量のトランスレスラジオで、スッキリしたデザインと感度の良さ、そして音の

良さに定評があります。 8台レストアしてきましたが一つとして状態が同じ物は今の

ところ有りません。 筐体が割れていたり、歪んでいたり、裏蓋が劣化していて触ると

割れてしまうような物や、とにかく中身にホコリが溜まり、油が染みてとにかく汚い

物まで様々です。

 

 そんな中で今回のラジオは、主だった傷も割れも無くパネル面へのホコリの蓄積が

殆どありませんでした。(通常は熱溶着の透明カバーを外すのに汗掻いてました💦)

 

(レストア前のシャーシの内容)

ご覧のようにホコリもシミも有りません。

「筒状のコンデンサー(主にペーパーコン)」は、既に寿命が来ているか、あるいは

近いうちに絶える不安があるので無条件で新しく、さらに高耐圧のコンデンサーと交換

します。

右側の大きな「ブロックコンデンサー」も取り外し、新しく高耐圧な個別の電解コンデ

ンサーと交換し、電源フィルターとして基板に回路を組み込みます。

 

【レストア前】

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これが「電源平滑回路」です。

回路図の段数よりもCRを多く構成していますので、ハムをより一層小さく出来ます。

しかも電源の真空管と近いため、微弱な信号を扱う真空管回路中に「高圧」を張り巡ら

す事による悪影響を避けることが出来ます。

 

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下の写真の茶色い四角な部品は、扱っている電圧の4倍以上の電圧に耐えられるコンデ

ンサーです。場所塞ぎの大きな抵抗器も、現在の小型で同W数の抵抗に代えました。

 

【レストア後】 

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古いラジオにありがちな、ロータリースイッチのベアリングの錆による「玉落ち」を

避けるために「グリース」を塗布しました。

CRC-556 などは瞬間は効きますが、他の部分に染み込み「悪さ」をすることが多い為

長期に渡って使用できるグリースにしました。(ダイヤルの滑車にも使用)

 

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【問題発見!】

■全て受信できているのですが・・・SW(短波)に切り替えた時に、受信感度が悪く

なったり、良くなったり・・切り替えスイッチをSW側に【強く】ひねると確実に

良くなるのです。(接触不良に他なりません。)

 

  これはもう分解して、接点の汚れや接点電極の「バネ要素確認」が必要です。

そこで、今の配線状態をスケッチして、さらにバラした後に分からなくならない様に

ウエファに「白ペイント」を塗布し、ひと目で分かるようにしておきます。

分解したところ・・・組み上がっている状態からは見えない個所の「酸化、硫化」など

の被膜ができていました。

また、バネの力で接触を保つ4回路分の接点バネが多少「平たく」なっていました。

これでは接触力が小さくなるはずです。

 

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そこで、サンハヤト社製の「接点ブライト」という薬品を電極部に塗って、約1分待ち

綿棒で拭き取り、その後は台所の中性洗剤でブラッシング!

油脂分もきれいに取れました。

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 組み立てたら、各回路の接点が正常かどうか「導通試験」をします。

無事すべての接点が確実に接触しています。(導通性オイル塗布)

配線をし、電源を投入し・・・SW、MW、PHと全てのバンドを何度も切り替えて、

感度の変化が無いことを確認しました。

(音が出ないとか、発振などの不具合がない限りここまで分解して清掃する方は

 少ないと思います。しかし、短波、中波と言うように切替部分が多い機種は

 早晩「接触不良が原因の不具合」が生じるかも知れません。)

*鹿子生オーナーさんが「MW」しか聴かない方だったりすると、他のバンドへの

切り替えがないため、尚の事「接触不良」が生じやすいと言えます。



 手を加える必要のある別の箇所へ移ります。

パイロットランプ(電球)のソケットを絶縁テープで巻いています。

ONKYO社の設計が悪く、熱遮蔽板(裏蓋に装着されている金属板)が電球ソケットの

電極に触りショートする危険があるのです。

(電球は6.3V)の球ですが、電極にはAC100Vが加わっているので危険です。)

 

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「イヤホンジャック」が装着されていた部分は、「イヤホン」を廃止して、同じ径の

ステレオミニジャック」に代え、オーディオ入力にしました。

このラジオは「トランスレスラジオ」ですので、無思慮に配線すると金属部に100Vが

加わるため「感電」する恐れがあります。

そこで当機は・・・

信号側とアース側にオーディオ信号を通しながら、高圧が遮断されるコンデンサーを

それぞれ介して接続しています。これで「わざと」ラジオのシャーシや金属部を触らな

い限り感電はしません(^^)

 

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小さなラジオ、そして小径なスピーカーを使用したラジオは、「シャリシャリ」また

は「チリチリ」と言うような音質がほとんどです。

そこで少しでもマイルドにしたり、乾いた音にしたい気持ちを満たせるように、当時の

高級機にしか無かった「TONE:トーン」切り替えスイッチを背部に設けまし

た。

これはラジオの時も、オーディオ外部入力の時も利用できます。

 

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回路図がきれいな状態で貼られています。

でも実際は回路図と配線内容が違っていたり(メーカーの側にて)、性能アップの為に

私が「削除」したり「部品追加」したりと、実物と回路図とは少し異なっています。

そこで、ご落札頂いた際に「最新回路図」を品物に添付させて頂きます。

 

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 MW:中波もSW:短波も、とても感度良く受信しています。

電源平滑回路の段数増加と、配線の引き回し改良などにより「ハム:ぶ〜ん音」は殆ど

有りません。

すべての真空管ラジオに言えることですが・・・ 

高熱を発生する真空管ラジオは「つけっぱなし」で聴く、機器ではありません。

末永くお聴きになられるためにも、可能ならば一日「数時間程度」ご使用になることを

お勧め致します。

また、置き場所も「本棚の狭いスペース」に置いたり、壁や襖などにラジオの背面が

ピッタリと密着するような場所は避けてください。

排熱が出来なくなり、最悪「火災」の原因になるかも知れません。

 

 トランジスターやICによるラジオと比較すると「劣る要素」が多い真空管ラジオなの

ですが、古き良き時代に活躍し今また再び時を経た「高性能な現代の電波」を、気持ち

良くシッカリとつかみ、独特の暖かな音で耳を癒やしてくれる「真空管ラジオ」をぜひ

愛しく思いながらお樂しみ頂けましたら、ラジオ本人も、レストアした私も嬉しく思い

ます(^^)

 

 

真空管ラジオに触るきっかけとなった出来事

 それはYou Tubeで「 radio 1ban」さんの真空管ラジオでラジオ深夜便を聴く】

ひょんなことから見ることが有り、真空管は知ってはいるものの実務で電気を生業とし

始めたのは「トランジスター」「IC」が次々と作られた時代でしたので、赤く光る姿は

実に美しくて、そして懐かしい存在に映り・・「自分も真空管ラジオで聴きたい!」と

電波少年時代?」の杭にまた火が付き始めた瞬間でした。

 

 どこに行けば真空管ラジオが買えるのだろうか?

確か秋葉原で見かけたことが有ったけど・・・とんでもなく高価な札が付いてたっけ。

きっと安くても何万円かするに違いない💦

そう思いながら・・そうだ!以前TVを買ったり自転車を売ったりしたヤフオク

有るに違いない!!(^_^)v それは「大正解」でした。

 

 次に悩んだのは果たしてどういうのを買えば良いのだろうか?

落札して手にするためには何をどうすればよいの?  もう過去の取引実績も忘れて

しまっていました💦

 

初めて入札したのは、同郷の出品者様のコロンビア5球スーパーでした!内外共にレストアされたラジオで、届いたその晩に待望の【ラジオ深夜便】をワクワクしながら聴きました。

 

そうだ❗️ 私もラジオを直してみよう‼️

そう思って初めて落札したラジオが【ナショナルGX-320】でした!

この写真はレストア後に出品するため撮影したものです。

ループアンテナもこの時は付属して出品しました。

 

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このラジオの出品者はストアでしたねぇ。

音が出るものの「ボコボコ・・」と言うだけで受信は出来ていませんでした。

トランスレスラジオというのは初めてです。仕組みもよく分かりません💦

後に各真空管のヒーター電圧配分で直列接続し、トータル「100V内外」に収める、

ということが分かりました。

ということは・・一本でも断線したら全く動かない!ということです。

音が出た!ということは真空管は大丈夫なのか?

 

蓋を開けて中身が乱雑?な配線でびっくりしました!

その次に「電解複合コンデンサー:ブロックコンデンサー」から何かが飛び出ている

事に気づきました。(劣化して内側に中身が滲み出ていたようです。)

僅かなスペースに個別のコンデンサーと抵抗をはめ込んで、やっとパンクした部品の

代わりを作り出した【初回路修理】です(^o^)v

とにかく隙間のないラジオでした。

 

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そして・・・

自分が直したラジオのダイヤル指針は、違和感のないもの以外すべて「青く塗る」事に

しようと思って開始した初指針でも有りました。

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トランスレスラジオは、AC100Vの片側をシャーシに直接つなぐため、場合によっては

【感電する】可能性があり、メーカーは容れ物には「樹脂」「木材」を使用し、危険性

を考慮していたようですが・・・

回路内の「イヤホンジャック」の金物部分だけは、シャーシと同じ電位なので、ラジオ

動作中に金属部分に触ると「ビリビリ!」来る可能性が大です。

なのでもう対応できるイヤホンも少なく、それに良い音とは言えないことも有り取り払

いました。後の穴は黒いスポンジで内側から塞いじゃいました。

後々、このタイプのラジオのイヤホンジャックには、オーディオの入力ジャックを付け

て居ます。また感電防止のためにアース側も「小容量コンデンサー」で、直流をまずは

カットし、100Vに対してもインピーダンスが高くなるようにしています。

 

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とても感度の良いラジオでした。

写真には有りませんが最終的には「TONE」回路も付けた記憶があります。

 

気づいたら・・・もう何台も何台もレストアしている私がいました。

ナショナルDH-730のレストア

№001

 

 横幅が70cm近いような「大型ラジオ」のレストアは久しぶりです。

恐らく昭和34年(1959年)頃のラジオでしょう。

(この年にはDHシリーズの何機種もが生産されていました。)

 

筐体の下は木製の横長の脚ではなく、コタツの脚のように金属製の脚受けがあり、

かなりガッシリとした独立した4本の脚で立っていたのでしょうか?

テレビや後に誕生する「ステレオ」が正にそのような形式でした。

今回それは取り外し、大きな「ゴム足」をネジ止めして取り付けてあります。

 

【届いたばかりのシャーシ内の様子】

まるで「吸引力」でも有ったかのように、綿ゴミやら細かな粒子のホコリがたくさん

積もっています。

当時は最新式だったのでしょうが、耐圧不良を起こし使えない「各種コンデンサ

の姿が多く見えます。(ペーパーコンデンサ、オイルコンデンサ電解コンデンサ

またナショナル特有の「電線同士の癒着、劣化」が有りました。

レストアした人なら「あるある!」と賛同していただけると思いますが・・・

●ゴキブリの卵の抜け殻  ●蜘蛛の乾いた死体 ●カメムシの越冬?

幸いこのラジオには全く上の「住人?」はいませんでした(^^)

 

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見ての通り、中身は「スッカスカ」です。【音の響き優先設計】です!

もちろん何か奪い取られているのではありません(^o^)

まずはデザインとして操作部は極力片側に寄せる設計をし、こんなに広いスペースが

あるにも関わらず、あえてシャーシを縦に配置したようです。

有り難いのはダイヤル機構もマジックアイもすべて一体化されているので、スピーカー

線を切るだけでスッポリと取り外すことが出来、調整時にも作業が楽なのです🎵

全体の構造がシンプルで、全面の木製部もすべてバラバラになります。

スピーカーは磁化しないようにテスターではなく、配線チェック用に自作した「ブザー

チェッカー」で導通試験をしましたら・・・両方共生きていました(^_^)v

 

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さて、困ったことが一つ。

落札時の写真では、ツマミが全て付いているのですが届いた梱包内のどこにも2個しか

見つかりません。出品者のコメントもなかったので、もしかしたら他のラジオの欠品を

補うために2個取られてしまったのかも知れません。

そこで、「差込型ツマミ」方式にはもう「見切りをつけて」、現在市販されていて品種

もたくさんある「軸へのネジ止め式ツマミ」を採用することに決めました!

 

 決定に至った理由は、もう古いタイプのツマミの新品は入手不可能なこと、それに

加えて、このラジオの使用部品の「軸長」が短いため、延長金具をどうしても使わない

と新しいツマミは使えないのです。

延長金具は元々の部品の軸を加工すること無く、ネジで締め付ければオーケーなので

あとはパネルから外に「新しい丸い軸」だけを制作し、はめれば良いのです。

この写真がその状態です。(長さを算出するのが大変でした💦)

元々の部品の「ローレット溝」が見えますね!

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私の場合レストアするラジオの「ブロックコンデンサー」は、たとえ現状で【活きて】

いるとしても、取り外して廃棄しています。

殆どのブロックコンデンサー内には、4〜5種類ほどの電解コンデンサーが内蔵して

おり、その内のどれかがパンクしたり不良になっても、その部分だけを交換することは

不可能です。また当時の製品には「爆発防止用弁」が付いておらず、最悪「大音量」の

爆発音を響かせ、中の油が飛散し大変なことになります。 レストアされる方の中には

古いブロックコンをそのまま残し、そこに新しい個別コンデンサーを並列に繋いで補う

方式をされておられる方もいらっしゃいますが、内部のコンデンサーの「リーク測定」

をする装置も技術も無いので(^_^;) 思い切って「外に平滑回路を作る」事にしました。

これならコンデンサーの入手も抵抗の入手も簡単ですし、追加も簡単です。

私は「基板」に乗っけて、より分かりやすく、電源真空管の近くに配置することも楽に

出来ます。

シッカリとしたL金具でシャーシに固定し、空間にあることで熱がこもる事によるコン

デンサーの劣化も予防できます(^_^)v

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このラジオを通して初めて見たマジックアイです。

【6DA5】という型番です。見慣れたマジックアイパターン表示とは一味違います。

有り難いことに活きていました!(^_^)v

ただし固定していたプラ部分が劣化し、入手した時点で「ぷらぷら」していましたので

無理な力が加わらないような方式で、固定しています。

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それから・・・高性能な真空管【6BQ5】はとても熱くなるんです!

専門家の方からは「真空管は十分に耐えられるように作られているので、何も冷却する

必要はないんだよ!」と言われましたが・・・・当時の設計思想では、車で言えば

「馬力」や「最高速」を売りにしてCMを行った自動車のように、当時の不安定な電源

事情において、いかにパワーや感度を引き出せるかが競われたそうですので、結果と

して発熱の量が半端なく、そこまで頑張って鳴らさなくてもいいんじゃない?って

思うほど熱くなるのです。

オーディオに詳しい方は「熱を逃がすことで音が安定し滑らかになる」という方も

存在し、決して安くはないのですが「真空管冷却ネット」生るものも有りました。

半導体を中心に扱ってきたワタシ的には「熱は敵」という感覚があり、どうしても

放熱したい気持ちがあるんです。

じつは放熱だけでなく輸送中の「真空管抜け」防止にも有効なんです。

真空管全部ではなく「電源管」と「最終段アンプ管」のみです。背の高い真空管です。

放熱器の端はシャーシにネジ止めしています。

雑音発生防止にも役立っているかも。

写真中のネジ止め黒マットは電源感電防止用絶縁ゴムです。(調整中感電しない為)

 

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最初の方のシャーシの写真とはかなり違った景色になりました。

抵抗やコンデンサー、他の部品、そして電線も交換し、だいぶ様子が変わりました。

 

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マジックアイの動作写真です。

この状態は「放送局を受信し始めていますが、まだピークではない状態」です。

ネットで見慣れた「アイ」と違いますでしょ?

 

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そしてこの状態は「NHK第一」でしたが、「同調がバッチリ合った!」状態です。

2つの山が寄り添ったり、離れたりするイメージのアイです。

ナショナルの基本設計として・・・ラジオの「ワイド(いわゆるHi-Fi)」時には・・

「動作しません。」 そのような回路設計になっています。

私の場合は、それに加えて「とにかく必要な時にONにして」「不必要な時にOFFに」

出来るように、シャーシの裏側に「マジックアイON-OFFスイッチ」を着けました。

これにより入手が難しいマジックアイの寿命を少しでも温存できるものと思います。

なお、単に高圧だけを入り切りするのではなく、ヒーター電源も同時に入り切りして

いますので、ONにしてもすぐには点灯しません。他の真空管同様10〜20秒掛かり

ます。(ヒーターは電球のフィラメントと同じと考えると、常時通電は早めに劣化

させることになります。)

 

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回路図がきれいな状態で中の壁に貼られていました。

かなりの部分の変更、追加回路、コメントがありますので最新の情報を加味した回路図

は実物に添えて発送したします。

 

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黒いネットエリア内が全て「音場:おんば」の大型ラジオです。

高さと奥行きはほぼ同じ30cm付近の寸法です。

写真は「PH」レンジです。

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裏蓋は「反り」も「割れ」も汚れも有りません。

Bluetooth受信機が差し込めるように、一部をカット加工しています。

 

大きいけれどスッキリとしたデザインと色、そして何よりも【音が良く】、

強力に聞こえる放送局から流れてくる音楽や語り・・・そしてBluetooth受信機を介し

スマホから流す音楽が、アナログ化されて程よい高音、低音が楽しめました。

 

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余談:

これは驚きました!

調整中に音が途切れるので、真空管を抜き差しして原因を探ろうとしたら・・・

音を作り出す大事な球(6BQ5)が、根元部分から「パリン!」と音がして、割れて

しまいました!😱💦  初めての体験でした!

これでは「真空」「管」ではなくなり、動作しないわけです。

手持ちがなかったので、すぐにヤフオクで探し出し新しいものに交換することで無事に

レストアを完了できました。

なお、この真空管が届くまでの数日間、音の比較もできるのでシャーシ上に7極の

真空管ソケットを設け、6AR5でラジオ全体の調整をしました。

回路上、6BQ5と6AR5の両方を差し込むことは出来ませんのでそのソケットは・・・

【使用不可】としました。

肝心の音比べですが・・やはり音の迫力、伸び、利得の面で「6BQ5」が優秀でした。

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以上