真空管ラジオレストア記録

実際に手掛けたラジオレストアの記録簿です。

シャープ 6H−238(色違い)レストア記録

  同じ型番のラジオをレストアして初めて知ったのですが この機種のラジオには

つまみ操作部が「白主体」の物と「黒主体」の2種類があり、それに従い色がお互いに

反転しています。

 本機は操作部が「白主体」で、スピーカーサランネットが「金色系」です。

 

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 もともと手に入れる際に「受信します」との情報がありましたので、珍しく手に入れて

すぐに「通電」してみました。

確かに音は出るものの、音質が悪く、雑音がひどく、全域に渡ってチューニングも不可

でした。(でも、これで基本部品が生きている証拠を得ました(^o^)v)

 電源トランスの断線やスピーカーを鳴らすはずの「アウトプットトランス」の断線が

とにかく多いのが、昭和初期の真空管ラジオ「ジャンク品」です。

しかし音が出るものの、使っていると「チリチリ」という雑音が不規則に入ります。

経験上、アウトプットトランスの耐圧不良が原因で発生することが多く、ナショナルの

ラジオにて既に3台ほど出遭っています💦 音が出たからと言っても安心できません💧

 

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 早速レストアに入ります。

私の場合、まず行うことが「古いコンデンサーの撤去」と「交換」、次に「電源平滑

回路」を小さな基板上に作る作業です。コンデンサーと抵抗が主な部品ですが、ラジオ

をレストアされる方の中には、端子板を使う方がおられ配線が返って複雑になります。

ぜひ基板で収めれば、基板裏をメッキ線でパターン化出来ますのでお薦めです。

 このラジオは珍しくも半波整流の5M-K9を使用しているので、設計よりも多い段数の

平滑回路を追加しています。

 

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 音出しをしたところ、ボリュームに「ガリ!」があり、新品と交換しました。

シャフトだけ特殊なので切断しジョイント金具でつなぎました。

 (左から3番目のツマミ)

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受信感度がいまいちなので手元にあった大型フェライトバーアンテナに替えました。

接続後にフェライト棒に巻かれたコイルをスライドさせ、感度が最も良かった位置で

パラフィンを溶かして固定」します。

シャーシに絶縁材として有用な木材板にアンテナを固定します。

(意外に実用性の良い取り付けグッズが無い。)

 

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放熱板は最初シャーシに元々開いていた6Φほどの穴を利用して、ビスとナット止めを

していたのですが・・・「待てよ? 真空管交換時にシャーシやツマミなどを一旦

外さないと出来ない作業だぞ!?」と気づき(もっと早く気づけ!)、タッピングビス

で留められるように直しました。

(磁石付きのプラスドライバーがあれば、ネジを落とすこと無く上から外すだけでOK)

 

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外装部は細かな傷や塗装剥げが有ったため、スプレーにて黒色塗装しました。

当方には塗装を剥がし、白木状態にしてから「ニス仕上げ」をする腕も、気合も無い為

簡単に済ませています。 お好みで色を変えた塗装や、ニス仕上げに挑戦するのも良い

と思います。

 

化粧用メッキパーツは、番数の大きな細かなペーパーで仕上げ、ワックスがけしており

光沢が戻りました。傷は全くありません。

 

透明なパネル部分の左右端だけは、メーカーの設計の「所為?」で、長年締め付けられ

た応力で「ヒビ」が入っています。 気になるようでしたら「黒いシール」や「四角く

切った黒いゴム」などを両面テープで貼ると、目立たなくなるかも知れません。

この点に関しましては、数十年選手!ですので、この程度で済んでいる劣化として

「褒めて」上げましょう\(^o^)/

 

ではどうぞよろしくお願い致します。

(改造した分を含めて最新の回路図を添付致します。)

(取扱説明書も作成してあります。)